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里外神社

rige




  祭  神:素盞鳴命 大年命 蛭子命
  説  明:境内案内板を転記します。
      「御祭神は素盞鳴尊で、古い社名は、呉服大明神と称せられた。創建は古く仁徳
       天皇の代に古松古杉うっ蒼と茂る森があり、ここに社殿を創立し鎮祭されたと
       言われ日本書紀に依れば、垂仁天皇の頃、五十瓊敷命をう砥の川上に置いて倭
       文部を管理せさしめられた。倭文部とは機織工の事であり、兎砥川上とは現在
       の信達の事である。
       即ち実に泉州機織業の発祥の地であり、当社はこの倭衣織の守護として尊崇さ
       れて来た。因由も亦明かなことである。
       中古に至り当社の西方約八丁に一本の老松があり、其の根元より毎夜霊光を発
       し、その光は当社の境内に飛んで行くのを見た村人達は、松の根元を掘り確か
       めた所、一振りの霊剣を発見し、神社に奉献し、その霊剣を御神体として、素
       盞鳴尊をご祭神とし、その場所が岡田の里の外であったので、社名を里外神社
       と改めた。
       建仁元年(1201)十月、後鳥羽院が紀州熊野大権現に行幸のみぎり、王子
       社厩戸の御所に御止宿になり、岡田王餘魚の有名なるをお聞きになり、当神社
       へ行幸され、村人は無上の光栄と悦で、当社境内の王餘魚渕の鰈を献上した。
       その後行幸のみぎりには王餘魚渕で飼育した鰈の献上が例となったと伝えられ
       ている。
       尚合祀の御祭神は大年命、蛭子命の二柱である。大年命は五穀豊穣をつかさど
       る大神であり、蛭子命は商業鎮護の大神であり「岡田のえびすさん」として近
       郷に古来より深い信仰がある。」
  住  所:大阪府泉南市岡田3丁目25−1
  電話番号:
  ひとこと:まずは、五十瓊敷命について、日本書紀から引用しましょう。
       垂仁三十九年冬十月のことです。

      「ある説によると、五十瓊敷命は、茅渟の菟砥の河上においでになり、鍛冶の名
       は河上という者をおよびになり、太刀一千口を造らせられた。この時に楯部・
       倭文部・神弓削部・神矢作部・大穴磯部・泊橿部・玉作部・神刑部・日置部・
       太刀佩部など合わせて十種の品部を、五十瓊敷皇子に賜った。その一千口の太
       刀を忍坂邑に納めた。その後、忍坂から移して石上神宮に納めた。このときに
       神が『春日臣の一族で、名は市河という者に治めさせよ』といわれた。よって
       市河に命じて治めさせた。これが今の物部の先祖である。」

       えぇっと、この部分で、ちょっと意味がよく理解できないのは、最後の部分。
      「市河という者に治めさせよ」
       目的語がわかりません。

       神宮に納めた、一千口の太刀?
       太刀を治めるっていう言い方は、あんまりしませんよね?

       としたら、十種の品部を?

       春日市河が、物部の先祖であるとするならば、そう解するのが妥当かもしれま
       せん。
       なにしろ、物部って一口に言っても、数が多い、多い。
      「八十物部」つぅくらいで、とにかく、いろんな職種に物部の手が(笑)

       しかも、「物部」は「武士(もののふ)」の語源になっているというだけあっ
       て、戦争のエキスパート軍団です。

       十種の品部を見てみると、

       楯部・倭文部・神弓削部・神矢作部・大穴磯部・泊橿部・玉作部・神刑部・日
       置部・太刀佩部

       楯も、弓も、矢も、太刀もあります。
       古代の武器としては、かなり豪勢ではありませんか?

       ただ、案内板にもありますように、倭文は布ですね。

       玉作の「玉」は、弾薬ではなく、装飾品としての「玉」でしょうし(笑)
       まぁ、全部が全部、戦とは関係ないのですけどね。

       ただ、この地が、部族間闘争において、「要地」であったという可能性は、高
       いんじゃないでしょうか。

       そして、そのことは、霊光を発していた「モノ」の正体が、「剣」であった、
       ということからも推察される、と愚考を考える次第であります。

       ・・・ってことで、ここらへんから、とっても妖しくなります(笑)

       大体において、何かが光を発していた為、そこを掘ってみると何かが出てくる
       という物語は、ありがちな話ではないかと思います。

       はい、あなた!今、「かぐや姫?」と言いましたねっ?お姉さん、見逃しませ
       んでしたよっ!!

       そう、かぐや姫もそうです。
       彼女の場合は、竹が光って、竹を切ると、節と節の間で眠っていたのでしたね?
       窒息もせんと。
       閉所恐怖症やったらどないすんねん。

       ・・・まぁ、いろいろと異聞もあるようですが、光る竹の中にいた美少女。
       それが、かぐや姫ってことで、とりあえずはいいと思います。

       この場合、光ったのは「竹」、見つかったのは「美女」ですね。

       そして、この神社の場合、光ったのは「松」見つかったのは「剣」です。

       竹・松ときましたから、梅・・・梅もあるんでしょうが、今のところ、知りませ
       ん。

       ただ、似た話としては、白椿・紅椿の根元が光るので掘り返して見ると、小判が
       ザクザク・・・という夢を見た男の、「夢買い」の話しがあります。

       この夢を見た人は、軽々しくそれを人に話してしまうのですよ。

      「正夢は、人にしゃべってしまうと逆夢になる」
       うちのば〜ちゃんが、子供の頃、教えてくれました。

       だから、良い夢は人に話してはいけないのだ、と。

      「秘め事」てのは、手つかずだから、力があるわけで、誰かの手垢がついちゃった
       ら、もう、それは凡庸な「日常」になってしまうわけですね。
       いいですか?そこの、「秘め事」をお持ちのお嬢さん。
       その秘め事は、人に言いふらさず、心に秘めておいて、年くってから、ネタにす
       るのです。それが幸せのもと!

       ・・・は、まぁいいとして(^^ゞ

       この椿宝の夢は、それを聞いていた男が、「買う」と言い出し、夢を見た男も、
      「うまい話」
       とばかりに売ってしまうのですね。
       そんで、まぁ、ご想像通り、夢を買った男は、その夢の通りに、椿の根元から、
       お宝を得るわけです。

       この場合、光るのは「椿」、見つかるのは「宝」ですね。

       その他、思い出すのは、髪長姫の物語です。
       これは、ここを見てもらうとして、

       この物語の場合、光るのは「海」、見つかるのは「仏像」ですね。

       例としては少ないですが、ざっと見ると、
       光るのは、「竹」「松」「椿」「海」。
       見つかるものは、「美女」「剣」「宝」「仏像」。

       何が光るか、は、その物語を語り伝えたのがどんな人々か、を表しているように
       思われます。

      「竹」は、これは、竹細工の民・・・サンカに関係あるのじゃないか、なんて言わ
       れてますよね。

      「椿」は、なんとなく、庶民の花という気がしますから、庶民の願望を物語にした、
       というようにも読めます。

      「海」は、これは、だって、海人さんの物語ですから、そのまんまですよね。

       そして、見つかるものは、「彼らが欲しているもの」。

       竹獲りの人々は美女ですか?
       う〜〜〜ん・・・何を意味してるんだろ。
      「天女」と見れば、天からのメッセンジャー、天との媒介役かもしれません。
       それとも、「栄誉」と関係あるかもしれません。

       庶民は「財宝」これはそのまんまかも?

       そして、海の民は、「仏像」。
       彼らの守り神であると考えれば、大きく頷ける話しです。

       さて、それじゃ、この神社の場合はどうでしょう?

       光る場所は、松です。
       見つかるものは、剣です。

       松の意味する人々とは?
       剣とは?

       剣は「武力」を意味するのだろう・・・と想像するとしても、「松」はよくわか
       らないですね・・・。

       でも、「松林」は、海沿いにあるものですよね。

       としたらやはり、海の民かもしれません。
       この地域で勢力を誇っていたのが、海の民である、と考えれば、この神社の伝承
       も、何か、不思議な色合いを帯びてきませんか?       

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