百足

mukade




  伝   説:藤原秀郷が、瀬田の唐橋を渡ろうとして、ふと目の前を見ると、大きな
        竜が横たわっていました。
        他の人たちは恐れて、逃げておりましたが、秀郷は平気です。

       「なんだこんなもの」

        竜を踏みつけると、悠々と渡ってしまいました。

        橋を出ようとしたとき、背後から声がかかります。

       「もし、勇敢なお侍さま」

        秀郷が振り返ると、さきほどの竜はもうどこにもおらず、きれいな女性
        がこちらを見ています。

       「私は琵琶湖のふもとに棲む竜です。最近、三上山に百足が棲みついて、
        わたしの生活を脅かして困っています。

        その百足の大きいこと、三上山を七巻半もするほどで、手ごわいことこ
        の上ありません。

        今夜、百足と闘いになる予定なので、ぜひ、ご加勢いただきたいのです」

        悲しい表情で、せつせつと訴えてきたのです。

        秀郷は勇猛な武将でしたが、同時に心の優しい男でもありました。
        たおやかな女性が心底困っている様子を見て、即答したのです。

       「よし。助けてあげよう。」

        その夜、三上山のふもと、瀬田の渡しのところで秀郷が弓を携えて立っ
        ていると、三上山のあたりで、ポッと松明らしきものが灯り、どんどん
        こちらへやってくるのが見えました。

        たいまつと思ったのは、大百足の目。
        恐ろしく大きな百足のようです。

        琵琶湖からは竜が出現。
        二匹の長虫は、くんずほずれつの戦いとなりましたが、どうやら百足が
        有利のようです。

       「いかん」

        秀郷は、弓矢を番え、ひょうと放ちました。

        しかし、よっぽど皮膚が硬いのでしょう。
        百足の肌に当たるやいなや、矢は「カン」と弾かれてしまいます。

        第二の矢も同じ。

        秀郷は少し考えました。

       「そういえば、人の唾は化け物には毒となると聞く」

        そこで、次の矢の先に、たっぷり唾を塗って、百足の眉間を狙います。

       「ドツン!」

        秀郷の考え通り、唾のぬられた矢先は、百足の額に命中し、深く刺さり
        ました。

       「ドゥ」
        百足が倒れると、竜はまた女性の姿になりました。

       「ありがとうございました」
        お礼を言って、いくら使っても中のお米がなくならない俵や、鎧・太刀
        のほか、鐘などを贈ったのでした。

        鐘は寄進され、現在も三井寺に残されています。
                    
 
  蛇   足:この物語は、藤原秀郷の「平将門討伐」を童話化したものだと言われて
        います。

        百足が三上山を七巻半したというのは、平将門公が、関東八州をほぼ手
        中に収めていたということの比喩だとか。

        しかし、なぜ百足なのかというと、よくわかりません。

        百足は毒を持ち、刺されるとひどく腫れあがります。
        人間にとっては、「大いなる脅威」であり、それが、新皇を自ら名乗っ
        た平将門公を彷彿とさせたのかもしれません。

        現代でも、平将門公の首塚は大いに祟るとされていますし……。

        また、百足は、製鉄と非常に関係が深いとする説もあります。
        製鉄の民は、鬼とされるなど、ひじょうに恐れられてきました。
        将門公と製鉄の民の間に、なんらかの関係があったのかもしれませんね。

        また、あまり知られていないことですが、毘沙門天の卷族は、本来百足
        だったんだそうですよ。

        日本最古の毘沙門天を祀るお寺といわれている、信貴山朝護尊寺。

        こちらの本堂には、いまだに百足をかたどった扁額が掲げられています。

        強い毒を持ち、ピカピカ光る体を持った百足は、いろいろなことを人の
        心に想起させるのかもしれませんね。

        さて、私は百足に咬まれたことが、幸いにして一度もありません。

        でも、身近で恐ろしい話はいろいろ聞きまして……。

        夜寝てたら激痛で目が覚めた。
        お腹が真赤に腫れていて、その横に百足が・・・とか。

        ……ううううううう痛そうだ(T_T)

        靴下をはいた途端、激痛。
        脱いでみると、靴下の中に百足が。

        ぎぇえええええええええ!!!!

        もも、もっと怖いのはですね。

        パンツを履いた途端……。

        ぎゃぁ!勘弁してください!!!!!

        最近、テレビで、
       「アンモニアが虫刺されに効くというのは、科学的にいえば間違い」
        とよく見るんですが、実際問題、どうなんでしょう?

        蜂に刺されてとっさにおしっこをかけたら、治りが速かった。
        という体験談は、弟の友達から聞きましたし。

        私は、キャンプで虻にさされたんですけど、内股のつきあたり近辺の腫
        れは、ほかのところよりもずっと早くおさまったんですよね。

        場所的に、おしっこがかかりやすい場所だったりしますし、アンモニア
        が効いたんだろうと納得してたんですけど……。

        勘違いなのか?

        それとも、いわゆる「偽薬(プラシーボ)効果」ってやつなのか??

        疑問です。
  
  参考文献等:
  情報提供者:       



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