日本酒: 「金鼓 伝承水もと仕込み 濁酒」
 肴 : 「神功皇后と武内宿禰」

dakushu




  日本酒 :金鼓 伝承水もと仕込み 濁酒
   種 類:水もと仕込み 濁酒 火入れ
   産 地:奈良県香芝市鎌田692
   醸造元:株式会社大倉本家
  日本神話:神功皇后と武内宿禰
   原 典:日本書紀 古事記
  あれこれ:この「濁酒」は、まさに、「神の酒」。
       米の味そのものだとも感じますし、
       醗酵した米は、もう既に米の域を越えてもいます。
       また、「神代のお酒とはこのようなお酒だったのかも?」と思わせる「原始的」
       なパワーをも有しているのです。

       記紀神話では、「美女が酒を醸した」という話がいくつか出てきます。
       酒を醸した美女の一人は、木花開耶姫。
       そして、神功皇后も、酒を醸した美女の一人なのです。

       武内宿禰は神功皇后の重臣です。
       神功皇后が三韓に遠征したときも、日本へ帰ってきて、忍熊王の反乱に遭った
       ときも、そして、神功皇后の息子である応神天皇が気比に詣でたときも、影に
       日向に、ぴったり付き従ったのが、武内宿禰です。

       神功皇后といえば女傑中の女傑。

       女傑に影のように付き従う忠臣・・・オスカルとアンドレだわぁ♪
       ・・・と目に☆を輝かせてしまうのは、ベルバラ世代の私達だけで、若い方に
       はわからないんでしょうね(^^ゞ
       まぁ、ベルバラは、漫画文庫で出ているので、読んでいただくことにしまして。

       しかし、この二人の関係は、
      「美しく気高い女傑と、辛抱強く優しく賢い忠臣」
       という美しい関係・・・だけではすまないのです。

       神功皇后の夫である仲哀天皇が亡くなったのは、神の怒りに触れたからだ、と
       いうことになっています。

       しかし、その真相は、文字通り闇に包まれています。

       現場は真っ暗闇。
       神功皇后に神を懸かって神託を得ようとしていたのです。
       その場には、仲哀天皇と武内宿禰が同座していました。
       そして、明かりがついた時・・・。
       仲哀天皇の息はありませんでした。

       怪しい話は、他にもあります。
       仲哀天皇が亡くなった後、神功皇后は、女の身で三韓に遠征します。
       そして、応神天皇が生れたのは、三韓から帰ってきた後なのでした。
       ・・・三韓での戦いがどれだけ楽だったにしても・・・。
       受精から出産までに必要な10ヶ月より、短く済むということが有り得るでし
       ょうか???

       もちろん、ここには「言い訳」が用意されていて、皇后は船の上で産気づいた
       けれども、鎮懐石でそれを鎮めた・・・なんて、「非科学的」なことになって
       おります。

       しかし。
       これは、やはり、「遠征中に受胎した」と考えるほうが、自然。

       応神天皇の父親が武内宿禰なのだとしたら・・・。
       武内宿禰の神功皇后・応神天皇母子への献身は、ただ単なる「忠臣のそれ」と
       は言えなくなってきます。

       そして、仲哀天皇の死の真相は?

       1.神の祟り
       2.神功皇后と武内宿禰の共謀
       3.武内宿禰の犯行
       4.神功皇后の犯行

       まぁ、そのどれだとしても、仲哀天皇はちぃとかわいそうですが(^^ゞ

       1.の場合はとりあえず置いといて、
       2.の場合は、仲哀天皇の生前から、この二人はデキていた、ということでし
       ょうね。

       3.の場合を考えて見ると、武内宿禰は野心家です。
       仲哀天皇の亡き後、神功皇后に取り入って、これまで以上に深く政治を自分の
       思い通りに動かしたい・・・そういう狙いで天皇暗殺をした、と考えるのが自
       然じゃないでしょうか。

       でも、この場合でも、少なくとも、神功皇后には、武内宿禰の犯行はバレてし
       まいます。
       ですから、彼には、神功皇后が、仲哀天皇を殺害した自分を看過し、その後も
       自分を重用する、という確信があったはず。

       つまり、神功皇后は、仲哀天皇に愛想をつかし、武内宿禰に心惹かれていた。
       そして、武内宿禰はそのことを心得ていた。
       ということになります。

       4.の場合。
       この場合は、神功皇后は、武内宿禰が可愛くてしかたなかった。
       だから、夫を殺害してまで武内宿禰の情けに縋った・・・。

       どの場合を考えてみても、武内宿禰は、かなり魅力的な人物だったと思えます。
       そして、仲哀天皇はほんまかあいそう(T_T)

       神功皇后の魅力については、はっきりわかりません。
       なにしろ、「皇后」という位が、十全に魅力的過ぎますから。
       それ以外の魅力がなくても、武内宿禰という才色兼備の傑物を惹きつけるに足
       りただろうと考えられるからです。

       しかし・・・。
       ここは、やはり日本書紀にあるように、「神功皇后は、人が驚くほど美しかっ
       た」と信じておきたいところです。
       折角、「皇后の愛人・武内宿禰」が、頭がよく魅力的な美男子と決まったので
       すから、その相手が美女でなくては、隠微になりませんから。

       二人の関係が隠微である、というのは仕方ありません。
       なにしろ、「王殺し」&「夫殺し」。

       忠臣による王殺しにしても、「夫殺し」にしても、その罪は深いでしょう。

       その罪の十字架を、二人は死ぬまで背負い続けたのです。二人で。

       ・・・ものすごい独断なんですけど、この「二人で罪を背負い続ける」という
       ことの甘美さはいかほどのものか、と・・・。

       喩えて言えば、絡めた小指を互いに噛みあうような(笑)

       だいたい、「罪に濡れた恋」って言葉からして、もう濃厚にも密に蜜。

       二人だけの秘密。二人の罪。二人の・・・。
       そのことが、二人の結びつきをいや増すのですね。

       そこまでは、よくある「恋物語」とあまり変わりがありません。
       しかし、私が思いを馳せてしまうのは、その後です。

       武内宿禰は、神功皇后亡き後も、応神天皇・・・もしかしたら自分の息子・・・
       に仕え、そしてその子・孫・・・と仕え続けたのです。

       罪を分かち合える恋人は、もういないのに、です。
       本来であれば、自分に仕えるべき、自分の息子・孫に仕え続けたのです。

       応神天皇に、「実は、私はあなたの父親なのです」と告白したい衝動に駆られ
       ることはなかったのでしょうか?

       しかし、応神天皇が武内宿禰を自分の父親だと悟ったと思われる逸話は残って
       いません。

       武内宿禰は、一生の恋人がこの世を去った後、孤独に耐えながら、罪を一人で
       背負いきったのでしょう。

       そのことを考えると・・・。
       彼のことを「野望の人」とは思えなくなってきます。
       野望の人ならば、神功皇后亡き後、応神天皇に、なんらかの方法で自分の立場
       を表明し、影響力を発揮しようとするんじゃないでしょうか。
       しかし、彼はそうはしていません。
       
       主君殺しの罪を濯ぐことはできません。
       でも、その動機は、「野望のため」ではなく「恋のため」と考えても良いので
       はないでしょうか。

       神功皇后にしても・・・。
       武内宿禰に対して、不当に利を授けることはしませんでした。
       これまた、やはり、夫殺しの罪は消えないにしても、「恋に狂ったための犯行」
       と考えれば、情状の余地は出てくるかもしれません。

       どちらにしても・・・。
       仲哀天皇は、神功皇后に愛されてなかったんでしょうね。
       だって、いくら武内宿禰の恋心がホンモノであったとしても、
       もし、神功皇后が、仲哀天皇を愛していたら、愛する夫を殺した忠臣を重用す
       ることは有り得ません。

       愛する夫を殺した男・・・。
       すぐに殺す。
       拷問にかけた後殺す。
       生爪剥がした後、殺す。
       首から下を土に埋めて、竹ののこぎりで、一日一挽きずつしてじわじわ殺して
       やるぅうううう!!!!!

       ・・・と、なるでしょう。

       もちろん、自分が仲哀天皇を殺すことも有り得ませんよね(^^ゞ

       ・・・・・ううううう(T_T)・・・・・かわいそうな仲哀天皇(>_<)

       多分、仲哀天皇と神功皇后の結婚は、「不幸な結婚」だったんでしょうね。

       きっと、神功皇后は、最初から、武内宿禰と結ばれるべきだったのです。

       政治的意図やらなんやら、それをさせない理由もあったのでしょうが。

       と、いうことで、
       今回の神話における教訓は、
       結婚とは、やはり、ちゃんと考えて、自分が一生愛しぬけると誓える人間と執
       り結ぶもんだ!
       ということでしょうか。

       皆さん、結婚は慎重に・・・(笑)

       とはいえ、このお酒は、そんな気難しいお酒ではありません。
       甘くて、酸っぱくて。
       それこそ、初恋の味なのです。

       初恋のときめきのまま結婚は出来るもんではないかもしれませんが、配偶者
       に対しては、初恋と同じような優しさと愛情を、いつまでも持ち続けられれ
       ば良いですね、な〜んてね(笑)

       そんなわけで、このお酒は、奥様・旦那様と一緒に飲んでください。
       恋していた頃の優しさが甦る・・・かもしれませんよ・・・なんてね(~_~)

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