修験を行くシリーズ
葛城二十八宿 番外編
犬鳴山 元山上峰供養
犬鳴山といえば、押しも押されぬ修験の山。
犬鳴山七宝滝寺の修験者さんがおっしゃるには、
「続日本紀には、『役優婆塞は葛城におわす』と書かれています」
とのこと。
修験の山といえば大峰山が有名ですが、
実は、「元祖」は、葛城といえるのですね。
そんな葛城に鎮座する「犬鳴山」。
現在は、中腹に本堂が建立され、車で横付けできますが、
往古における「犬鳴山」は、
現在、元山上と呼ばれるところを指したようです。
そんな「元山上」にて、3月6日、護摩供が修法されました。
スケジュールは、
9:00 本堂集合
10:00 登山開始
11:30 元山上にて護摩供
13:00 下山開始
14:00 本堂前
という、見た感じ、「気軽な登山」ではありました。
それが、あんな・・・・・とは・・・・・・(T_T)
メンバーは、今回は先達の毅岳さんの他は私達夫婦だけ。
修験オフの度に、
「行きたい!万難を排して参加する!」
と表明くださるのだけど、
間際になると、仕事が入ったり風邪ひいちゃったりする方がお一人。
次は参加していただけたらいいんですが(^^ゞ
こういうのもやっぱりご縁なのでしょうね。
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さて、私達夫婦は、集合時間にちょっと遅れてしまいました。
理由は、
「ぷ」が途中でお腹をすかせてコンビニでパンを買って食べたからだ、とか、
「ぷ」の妻が、トイレに行きたくなって、コンビニに寄ったからだ、とか、
いろいろに言われておりますが(笑)
そんなわけで、犬鳴山七宝滝寺に到着すると、
修験者さんたちがお経を唱和しておられました。
唱和が終わり、登山開始。
かなりの人数で登るため、歩みはかなりのスローペースです。
ところが、100メートルも行かないうちに、
そのただでさえゆっくりな進軍がぴったり止ってしまいました。
何があるのか?
・・・疑問は、すぐに解けました。
「難所」の出現が原因でした(>_<)
角度は・・・あれは、45度はあったかも。
急な傾斜の岩場を、鎖に捕まりながら登って行くのです。
自慢にはなりませんが・・・まったく自慢になりませんが、
私は「腕力にモノを言わせる」のは得意です(笑)
ということで、この「難所」は、楽にクリア。
私って、修験者に向いてるかも( ̄^ ̄)
・・・内心、そう思っていたことは、乙女のひ・み・つ。
だって、その後の難所がとっても怖かったんだもん!
そう、この山の「行場」は、ここだけでは済まなかったのです。
この日、毅岳さんは、元山上での護摩供に使われる、
小道具(矢と松明)を持って登山しておられました。
鎖の岩場では、この小道具を持ったまま登っておられたわけですね。
ところが、この難所をクリアした後、先輩行者さん登場。
「毅岳くん、蟻の戸渡りの行させてもらい。荷物持ったるから」
毅岳さんの荷物を先輩行者さんが引き受けられたわけです。
・・・こりゃ、なんかあるぞ・・・。
おそるおそる、
「蟻の戸渡りってなに?」
と毅岳さんに聞いてみました。
「あ、スリルありますよ〜。断崖絶壁の細い道を、縄つかみながら渡るんです」
いや〜〜〜〜〜〜っ!!!!!
私は、高所恐怖症でもないくせに、
吊り橋でぎゃ〜ぎゃ〜叫んでしまうヘタレです。
そんな私に、そんな恐ろしげな場所を通れとな?!
どひょぇえええええええ!!
その時点で、
「参加するんじゃなかった・・・」
という思いが頭を掠めます。
「あぁ、来るんじゃなかった。断崖絶壁なんかやだよ〜」
悶々としていると、前列から伝令が。
「蟻の戸渡りは危険なので、女性は別の道から行ってください」
自分で言うのもなんですが、わたしゃ思いっ切りへそ曲がりな人間です。
「やるな」と言われたら、やりたくなるのです。
そういう性格は治しておくべきだったのでしょうが、
不幸にして、この年まで矯正できずに来てしまいました。
あぁ、それがこんなに恐ろしい結末を導くとは!!
いや、結末じゃないですね。
ま、その蟻の戸渡りとは、こんなとこです↓
えぇ、えぇ。
「来るな」と言われたら行きたくなるんです、私(T_T)
36歳にもなって。
体はぶよぶよ、心は子供。
そんな厄介な人間が、この私なんですよ〜〜だっ!(←自棄)
この行場、
写真だけじゃ、その怖さはあまりわからないと思います。
何が怖いって、体を支えるつもりで掴む岩が脆いことなんです(>_<)
「ガシッ!(岩を掴む音)」
「ボロボロッ!(岩が砕ける音)」
「どひゃ〜!!(私の内心の悲鳴)」
何度これが繰り返されたことか。
まじで、死ぬかと思いました(笑)
んでもって、気付くと脚が震えてました(^^ゞ
情けね〜〜〜・・・
あともう一つ怖いのは、段差がきついこと。
私のように脚の短い人間は、
先達さんに、
「ここに左足をかけて、次にここに右足を」
と教えていただいても・・・。
と・・・届かない・・・(T_T)
仮にも公共の場で、でかいお尻をさらすのもなんですが、
この伸ばしきった踏み切り足をご覧ください。
目一杯伸ばして、やっと登れる、という岩場が何度か。
足場の悪い断崖絶壁で、これはかなり怖いっす。
先達さんが引っ張ってくださらなければ、
登れなかった場面もございました。
不詳、のりちゃん36歳、
一人では行を修めることができませんでした〜〜〜〜〜ああああ!!
しかし、蟻の戸渡りを終えると、もうすぐ元山上です。