ただし、「難所」ではありませんが、
元山上までに、もう一つ「行場」があります。
それが、「覗き」
この姿勢で、綱を握っている行者さんに、
「親孝行するか〜?」
と聞かれて、
「はい」
と答えない人は、まずいないそうです。
修験者さんの中でも、多分、かなり行を積んだ方なのでしょう。
恰幅が良く、動作も重厚なのに、難所をすいすいと歩いておられた、
年配の行者さんが、温厚そうな笑顔で、
「親孝行せぇへんって答えよったら、遠慮のぅ、落としたりや」
と声をかけて通り過ぎて行かれます。
温厚そうな方だけに・・・怖い(^^ゞ
ちなみにこの写真、「ぷ」が撮影したものですが、
「覗き」を真横から撮影するためには、その真横にカメラを位置させねばならず・・・。
ま、言ってみれば、
旦那は、綱を着けずに、覗き体験をしたことになります。
・・・なんとかと煙は高いところに登りたがるって言うよなぁ・・・
さて、元山上に着くと、護摩供です。
護摩供の次第は、まず清めから。
最初に、法螺貝の奏上。
次に拍子木です。
そして、次は、斧で四方の魔を祓います。
まず、「東」を意味する青い「シデ」の下で、二人の修験者さんが、斧を振るいます。
そして、次に、「南」の「赤」、「西」の「白」、「北」の「赤」のシデの下で、
同じように斧が振り下ろされました。
ところで、私達が立っていた場所のすぐ側に「黄」のシデが釣り下がっていました。
「黄」は「中央」を意味する、と思っていたのですが・・・。
これは、「青」を少し「黒」側に延長したような場所にあります。
どう見ても中央ではない?
斧は、この「黄シデ」の下では振り下ろされませんでした。
次の清め道具は、「弓矢」です。
弓も、「青」「赤」「白」「黒」の方角に、順に放たれました。
そして、次に、中央・・・護摩の火を炊く、木組みに向って矢が放たれます。
そして・・・。
やって来られました。
こちらの「黄シデ」に向って、
弓を番えた修験者さんの口から、
「鬼門の〜〜〜」
という清め祓いの言葉が。
なるほど。
この黄シデは、「鬼門」を意味してたんですね。
それにしても、「鬼門」が中央と同じ「黄」で表現されるとは・・・。
意っ味深〜〜〜〜〜!!
その後、法螺貝、真言(お経?)の奏上があり、
最後に、刀による清め祓いが行われました。
いよいよ点火です。
最初はぶすぶすとくゆっていた炎はどんどん勢いを増していきます。
そこで、修験者さん達が一斉に真言を唱和されます。
これが・・・酔うんですよね(^^ゞ
気付いたら頭がゆらゆら揺れてたりします。
炎の中に、心願を書かれた護摩木がどんどん投げ込まれていきます。
燃料を得た炎は、ますます大きくなります。
護摩木がなくなるころ、真言唱和の声は小さくなり、
無事、護摩供は終了しました。
さて、私は、炎から随分離れたところに立っておりました。
高さはそれほどではない山とはいえ、さぶいっ!!
指先は完全に凍り付いておりました。
が、まぁ、後は下山だけです。
指の感覚がなくても、さしたる問題はないだろう・・・。
そう思っておりました。
甘いっ!!あまいあまい甘いわっ!
写真ではよくわからないと思いますが、左側はほぼ絶壁です。
落ちたら、多分、100メートル程下にある七宝滝寺まで真っ逆様です。
なのに・・・
捕まった岩がぐらぐらだったり、
木がくにゃくにゃだったり、
なにより指先の感覚がな〜〜〜い(>_<)
まじで、死ぬかと思いました、パート2!!