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門僕神社

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  祭  神:天兒屋根命 經津主命 武甕槌神 姫大御神 玉祖命 天手力男命 天宇受賣命 
  説  明:境内案内板を転載します。
      「旧指定村社にして、人皇六十一代醍醐天皇の御宇、延喜式神名帳には大和国宇陀郡
       十七座の内、第三番目門僕神社にすき(『秋』の下に『金』)靱を奉納すとあり、
       今にその先金を伝承する古社にして、昔より曽爾村八ケ大字の産土神として崇敬厚
       き御社なり」
       平成祭礼データによると、
      「当社は、宇陀郡曾爾村大字今井の曾爾川の西岸に鎮座しており、主神は天津児屋根
       命をお祀りしている。
       延喜式内社にして神明帳に宇陀郡17座のうちに記載された古社であります。例祭
       10月10日午前8時より執行され神饌として、柿と餅を串に挿し頭上に鷄頭の花
       を挿して着飾った乙女の形と犬の舌の形を模した餅等が供えられています、亦獅子
       舞(県指定無形文化財)が奉納される。」
  住  所:奈良県宇陀郡曽爾村今井733
  電話番号:
  ひとこと:この神社のお祭りでは、「乙女の形」の御供え物が奉納されるんですね。
      「頭甲(すこ)」と呼ばれているようで、ちょっとした村の名物になっているようで
       す。近所のお店でも、「すこ餅」が売られていました。
       甘いものが苦手なので、食べませんでしたが(^^ゞ

       頭甲は、倭文神社の「人身御供」と同じような意味があるのかもしれませんが、は
       っきりとはわかりません。
       私個人としては、「乙女の形」よりも、「犬の舌の形」を模した餅の方が気になり
       ます。

       神に乙女を捧げるというのは、いろんな意味に受け止められます。
       例えば、乙女が神の前で舞いや音楽を奉納していたのを簡略化したのかもしれませ
       ん。
       乙女が神がかりをしたということも考えられます。
       また、「人身御供」として乙女が捧げられた、ということも、考えられるでしょう。
       この曽爾村にある「お亀ケ池」には、人身御供に関連があるかもしれない、と考え
       られる伝説が残っています。

       しかし、「犬の舌」はわからない。
       まだ孔雀の舌ならばわかるんですけどね(笑)

       犬の舌がご馳走になるかどうかは、それは「好み」ですから、わかりませんが、な
       んとなく、「味覚」に拠るものじゃないような気はしますよね。

       としたら、なぜ「犬の舌」なんでしょうか?

       まず考えられるのは、「犬の舌」が「犬」の代用品・・・ってことなんですが、こ
       れは苦しいなぁ(^^ゞ
       犬の代用品なら、犬の姿を模しますよねぇ。

       次に考え付くのは、この神様は犬に対して、なんらかの恨みがあった。
       そこで、意趣返しのために、「犬の舌」を要求していたことの名残。
       う〜ん・・・。もし、そうだとしても、わざわざ「舌」を模すには、何か「舌」で
       なければいけない何かがあったと考えられますよね。まぁ、「おいしいから」かも
       しれませんが(^^ゞ

       ここで、ふと考えて見ると、神(化け物)を退治して、乙女の生贄の習慣を止める
       話はいくつかあります。
       スサノオ尊のヤマタのオロチ退治、しっぺい太郎。
       今昔物語にも、「美作の国の神、猟師の謀に依りて生贄を止めた語」という、同じ
       主旨の物語があります。

       そして、多くの場合、化け物(神)退治の英雄は、乙女の身代わりになって人身御
       供とされるのですが、その時、英雄と一緒に化け物を退治するのは、「犬」である
       ことが多いのじゃないでしょうか。

       つまり、この「乙女を模した」とされる「頭甲」は、実は、「乙女を模した英雄を
       模した」ものでは??
       そして、一緒に、「犬」も。
       そう考えると、すっきりします。
       まぁ、化け物を倒すために「犬」を入れるならば、舌よりも牙の方が有効な気はし
       ますけどねぇ・・・ねぇ?

       ただ、まぁ。
       考えて見ますと、私達女性は・・・もちろん人によりますが・・・ことさらに、
      「私は女です、女なんだよ、女なんですったら!!」
       という姿をする必要はありませんよね。
       ジーンズ履いてようが、スーツ着込んでようが、見たら、女性だとわかりますから。
       
      (あくまでも、人によりますが)ことさらに女性らしい服装をするのは、「女性に化
       ける為」である場合もあるかも。

      「頭甲」は、頭に鶏頭を刺して、ことさらに赤く可愛らしく着飾る必要がある、と考
       えられるわけで・・・。

       が、残念ながら、
       この神社に、英雄が神(化け物)を退治した伝説があったかどうかは、わかりませ
       ん。

      「ぬるべの里 昔ばなし」によれば、16世紀、井上喜曽という英雄が大蛇を退治し
       たという話があるようですが、ここには、人身御供の話は出てきませんでした(>_<)

       そして、同じ本に収められた、「お亀ケ池の伝説」には、池の主退治のモチーフは
       出てこないんです(T_T)

       う〜〜む。
       しかし、「昔ばなし」には、「人身御供」の話も直接には出てきませんから、たま
       たま、どこかの時代で、「英雄が人身御供を止めた話」が消えてしまっただけかも
       しれません。
       えぇ、そうですとも。

       なんにしても、この「曽爾」という村は、本当に空気が綺麗で、心地良い村でした。
       一度、お祭りにも参列してみたいものですねぇ。

       2007年秋祭りに参列してきました。
       レポートはこちら

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