上に登れば登るほど、道は険しく、細くなります。
細い道を踏み外せば、急斜面。
こわっ!!
口数の少ない新人さんが、
「今、僕が谷底に落ちても、気付いてもらえないかもしれないですね」
とぽつり。
なんちゅ〜怖いこと言うねんっ!!
・・・しかし、びびってるのは私だけで、
「いや〜、昔の山伏は、脱落者は捨てて行ったらしぃで」
「なるほどね〜〜」
おいおいおいおいおいおい!!
少女のような優しげな顔の新人さんは、飄々と怖い話をします。
毅岳さんは満面の笑みのまま、怖い話を・・・。
う〜ん、仙骨のある人とは、こういう人達なのかも(^^ゞ
つぅか、びびるって(笑)
さて、山頂付近は一面の雪。
多分、耐寒登山なのでしょう。
小学生とおぼしき元気者達が、つるつるすべりながら走っています。
踏み固められた雪って、なんでこんなに滑るんでしょうね(T_T)
山頂の神社は、もう目の前なのに、なかなか前に進めません。
こ・・こ・・・怖いよ〜〜〜(>_<)
なんとかアイスバーンを抜けると、
祠が二つ。
背を向けて並んでいます。
大阪を向いているのが、葛城神社。
そして、和歌山を向いているのが、経塚。
通称「八大龍王神社」です。
まずは、葛城神社から御勤めです。
毅岳さんは、まず、横笛を取り出します。
神楽奏上の後、
今度は禊の祝詞を奏上。
そして、真言。
毅岳さんと新人さんが錫杖を振りながら唱和されます。
これがね〜、トランス状態を誘発するんですよ。
「寝ちゃだめ!眠ったら死んじゃうわ!」
乙女な言葉遣いで自分を励ましていないと、ぶっ倒れそうになるんですよ(^^ゞ
恐るべし!!
経塚での御勤めは、「犬鳴山流」だそうです。
まずは法螺貝。
そして、長い真言の唱和。
「寝ちゃだめ!寝るんじゃないわよ、のりちゃん、がんばって!」
「うぉおおおお、寝ちゃだめよ〜〜〜!!!」
・・・勤行の後、昼食。
そして、さくさく下山です。
さてさて、ところで、
「千三(せんみつ)」という言葉をご存知でしょうか。
千の言葉を語っても、その中に真実は三つしかない。
そういう大ぼら吹きを指す言葉です。
と、落語で聞いたので、もしかしたら、この言葉の事自体がほらかもしれませんが(笑)
私が言いたいのは、うちの旦那=ぷ、が、百三だということです。
ま、法螺はいいんですよ、ほらは。
誰が聞いても嘘やん?な、大法螺ですから、害はありません。
問題はですね。
誰が聞いてもネタやん?な真実を、百に三つほど語るところにあります。
「はいはい、また言うてるわ」
と、法螺扱いしていたら、それが、本当だった・・・と。
そんなとき、後になって、
「なんで言うてくれへんかったんよ!」
と言っても無駄です。
「ちゃんと言うたやろ」
そう言われるのがオチですからね〜。
う〜〜〜ん、タチ悪いぜ。
そんな、ぷ、と、新人さんが、親密げに話していれば、
妻としては、不安になるのは当然です。
真面目な人を毒牙にかけるようなことがあっては!!
急いで話に割り込んで見れば、
「昔の山伏さんは、近くの敵は杖で倒して、
遠くの敵は杖で九字を切って倒してたそうです」
「うそや〜」
「いや、本当ですって。だから、イノシシが出たら、杖で九字切って倒しましょう」
・・・若者よ、君も負けてないなぁ(~_~)
しかし、もっと負けてないのは、毅岳さんです。
イノシシと聞いた途端、
「ほな、僕がさばいて料理するわ!」
もしかして、今回のメンバーの中で、真面目なん、私だけかも(笑)
そんなこんなで登山口まで戻ってきました。
次は車で「ほの字の里」に向います。