祭 神:御食津神 若御魂 天鈿女命 説 明:神社の栞によりますと、若御魂(わかみたま)は、稚産霊(わか むすび)のことで、御食津神の父神であるそうです。 また、御食津神は、俗に蟻通宮と呼ばれ、知恵の神様として崇敬 が深い・・・とか。 日本書紀によりますと、稚産霊は、埴山姫(土)と迦具土神(火) の息子で、頭から蚕と桑が生えていて、臍から五穀が生えていた といわれる神様です。土と火から穀物ってのは分かり易いですね。 古事記によりますと、神功皇后の御子(応神天皇のことでしょう) の禊のために越前国の角鹿へ赴くと、武内宿禰の夢に伊奢沙和気 大神(いざさわけおおかみ)が現れ、御子の名前を変えよと言い、 その為、御子の名前を「御食つ大神」とした、なんて話しがあり ます。そうなると、話しはややこしい。 その上に、蟻通宮と呼ばれているとなると・・・。蟻通神社の祭 神は、思兼命になっていました。非常に頭のよい神様であると。 また、穀物神・倉稲魂神(うかのみたまのかみ)の別名が、御食 津神であるという説もあり、もうそうなると、この神様は、いろ んな側面を持っていることになります。 まず、一番には、穀物神でしょうね。父親も穀物神ですから、こ れが一番でしょう。 次に武勲の神、そして知恵の神。とにかく、祈るが勝ちってとこ ろでしょうか。 住 所:奈良県桜井市穴師493 電話番号:0744−42−6420 ひとこと:この神社の境内には、いくつか神社があります。 大禍津日命・大直日命・伊豆能売命・速佐須良比売命を祀る、祓 戸神社。 弥都波能売命を祀る、水神社。 稲田姫命を祀る、稲田姫神社。 須佐之男命を祀る、須佐之男命神社。夫婦ですね。 祖霊を祀る、祖霊社。 須勢理毘売命を祀る、須勢理社。 八神の神を祀る、八王子社。 常世の国から、不老不死の神実・非時香薬(ときじくのかぐのこ のみ・後の橘のことなんだそうです)を持って帰ってきた、田道 間守(たじまのもり)を祀る、橘神社。 そして、野見宿禰・当麻蹶速を祀る、相撲神社。 そう、相撲は、この神社から起こった神事なんです。 日本書紀によると、垂仁天皇の時代に、「自分ほど強い男はいな い!」と豪語している男・当麻蹶速(たいまのけはや、この蹶と いう字は、つまづくと読みます。この名前から、物語が読めてし まいますね。とほほ)がおり、この男と戦わせるために、遠く、 出雲から呼び寄せられたのが、野見宿禰(のみのすくね)なので す。 この野見宿禰は、埴輪を考案した知恵者でもあるのですが、 力持ちでもあったようです。見事、大麻蹶速を倒してしまいます。 これが、相撲の起源なんです。ってことで、この相撲神社には、 ちゃ〜んと土俵があるんですよ。 この神社は、もともとは、穀物の豊作を祈る神社だったのでしょ うね。そんな訳で、ちっちゃい蜂さんも、神事に協力してくれま した。これで、今年も豊作ですね?